中観派とは

/仏教

中観派

中観派とは、龍樹(ナーガールジュナ)の著作「中論」によって創始され、大乗仏教において唯識派(瑜伽行派)と並ぶ2大潮流です。龍樹は、2世紀頃のインドの僧侶で、大乗仏教の教理を体系化し、八宗の祖師と称されています。

中観派の教理は、般若経の影響を受けており、その根幹は「縁起」と「無自性(空)」です。

全ての事象や概念は、「陰と陽」「無と有」「従と主」「因と果」など、互いに”対”となる事象や概念に依存し、自立的・実体的・固定的に存在しないと説きます。従って、全ての事象や概念は、無自性(無我・空)であり、仮名(仮説)に過ぎないと考えます。

教理

縁起

縁起とは、他との関係が縁となって生起することで、全ての存在や事象は、原因や条件が相互に関係しあって成立しているものであって独立自存のものはないと説きます。

尚、因縁とは、原因、動機づけなどの意味をもち、全ての存在は、因縁によって生じ、因縁によって滅すると考えます。以下の十二因縁は、苦しみが生まれる順番を示したものです。

  1. 無明(無知、迷い)
  2. 行(業)
  3. 識(識別、差別)
  4. 名色(肉体と心、物質的現象)
  5. 六処(眼耳鼻舌身意の6器官)
  6. 触(6器官の対象となる外界)
  7. 受(6器官による感受作用)
  8. 愛(渇愛)
  9. 取(執着)
  10. 有(存在)
  11. 生(生まれること)
  12. 老死

例えば、1の「無明」が生じれば2の「行」が生じ(順観)、「無明」が滅したら「行」も滅する(逆観)とする考え方です。

無自性

無自性とは、実体がないこと、つまり「空」であることです。全ての存在や事象は縁起(因縁関係)の上で成り立っており、それらは無自性であると説きます。

般若経にでは、「空」に対し10種の比喩を使って説明しています。それらは、幻・焔(陽炎)・水中の月・虚空・響・揮閲婆城(ガンダルヴァの城)・夢・影・鏡中の像・化などです。

一方で、「空」が「無」と同一に解釈され、中観派が虚無主義と誤解されないよう注意が必要です。中観派の「空」とは縁起の意味をもち、「有」を否定して「無」を主張したのではなく、「実有」を否定して「無自性」を説いています。

尚、龍樹自身は、「大智度論」で「空という薬を煩悩という病に用いて治癒したとしても、薬が残っていれば、それがもとで病となる」と述べて「空」に囚われることを戒めています。

八不中道

八不中道とは、8つの否定により、両極端に囚われない正しい見方を得るよう説いたものです。全ての存在や事象はが相互関係にあるとする縁起の道理を表しています。八不の内容は以下になります。

  • 不生不滅:生まれることもなく、滅することもない
  • 不常不断:常にあることもなく、断つこともない
  • 不一不異:同じでもなく、異なることもない
  • 不来不去:来ることもなく、去ることない

 

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