利子所得
利子所得は以下が該当します。
- 公社債(国債・地方債・社債など)の利子
- 預貯金(銀行・信用金庫・社内預金など)の利子
- 合同運用信託(貸付信託・指定金銭信託)の収益分配金
- 公社債投資信託・公募公社債等運用投資信託の収益分配金
利子所得は以下で計算されます。
利子所得 = 利子収入 |
利子所得の課税関係は以下になります。
原則 | 源泉分離課税(税率20%) |
上場株式等(特定公社債等) | 申告分離課税(税率15%) |
少人数私募債の利子、外資建て預金の利子等 | 総合課税 |
尚、非課税となる利子所得は以下が該当します。
- 障害者等のマル優制度、特別マル優制度
- 財形住宅、財形年金
- 当座預金の利子(1%以下の利率)
配当所得
配当収入は以下が該当します。
- 株式・出資に係る剰余金の配当・分配
- 相互保険会社の基金に関する利息
- 証券投資信託の収益の分配金(公社債投資信託を除く)
- 投資信託(公社債投資信託・公募公社債等運用投資信託を除く)
配当所得は以下で計算されます。
配当所得 = 配当収入 - 取得するための負債の利子 |
配当所得の課税関係は以下になります。
公募株式投資信託の収益の配分等 上場株式等の配当(大口株主以外)等 |
総合課税(15~55%)、申告分離課税(20%)から選択 |
上記以外の剰余金・利益の配当、剰余金の分配 | 総合課税(15~55%) |
但し、以下のものは申告不要(20%源泉徴収)とできます。
- 上場株式の配当等
- 上場株式の配当等以外の配当等で1回の収入金額が、10万円×配当計算期間月数/12月以下
不動産所得
不動産収入は以下が該当します。
- 家賃収入・地代収入・駐車場収入・礼金・更新料など
- 賃借人に返還しない敷金・保証金
- 家賃の金額について係争中の供託金
- 借地権設定対価(時価50%以下の権利金)
不動産所得は、不動産の賃貸などが該当します。不動産所得は以下で計算されます。
不動産所得 = 不動産収入 - 必要経費 - 青色申告特別控除 |
必要経費は以下が該当します。
- 固定資産税
- 修繕費
- 減価償却費
2007年4月以降に取得した建物については定額法が適用されます。 - 不動産所得の金額に対応する利子
- 資産損失
個人の所有する資産の損失については、その資産の用途、損失の原因により取扱いが異なります。 - 未収家賃の貸倒損失、資産損失
事業所得
事業所得は、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業など、自営業で得た所得で、山林所得や譲渡所得に該当するものを除きます。尚、事業所得は、継続・独立して行われることが前提となっています。
事業所得は以下で計算されます。事業所得は総合課税とされ、超過累進課税により所得税が課税されます。
事業所得 = 事業収入 - 必要経費 - 青色申告特別控除 |
必要経費は以下が該当します。
売上原価 | 期首商品+当期仕込-期末商品 |
販売費、一般管理費 | 租税公課、水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、損害保険料、修繕費、消耗品費、給料賃金、福利厚生、家賃地代等事業用経費 |
給与所得
給与所得は、一定の雇用雇用契約に基づき提供した労務の対価として、毎月または定期的に支払いを受ける給付が該当します。給与所得は総合課税になります。
給与所得は以下で計算されます。
給与所得 = 給与収入 - 給与所得控除 |
給与所得控除は以下で計算されます。
給与収入 | 給与所得控除 |
~ 180万円 | 収入金額 × 40%(最低控除額65万円) |
180万円超 ~ 360万円 | 収入金額 × 30% + 18万円 |
360万円超 ~ 660万円 | 収入金額 × 20% + 54万円 |
660万円超 ~ 1,000万円 | 収入金額 × 10% + 120万円 |
1,000万円超 ~ | 220万円 |
尚、非課税となる給与所得は以下が該当します。
- 出張旅費、転任に伴う転居旅費のうち通常必要と認められる金額
- 通勤手当のうち1ヵ月当り15万円の金額
- 現物給与(記念品等、研修費用、制服など職務上欠くことができないもの)
- 国外勤務者の一定の在外手当
退職所得
退職所得は、退職によって勤務先から支給される退職金などが該当します。
退職所得は以下で計算されます。
退職所得 =(退職収入 - 退職所得控除)× 1/2 |
退職所得控除は以下になります。
勤続年数が20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
勤続年数が20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年) |
尚、障害者になったことに直接起因して退職した場合は、上記金額に100万円が加算されます。
山林所得
山林所得は、山林を伐採・売却、または立木のまま譲渡して得た収入が該当します。山林所得は以下で計算されます。
山林所得 = 山林収入 - 必要経費 - 特別控除 |
譲渡所得
譲渡所得は、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの譲渡によって得た収入が該当します。譲渡所得の課税関係は以下になります。
不動産 | 短期(譲渡年の1/1で所有期間が5年以下) | 分離課税 |
長期(譲渡年の1/1で所有期間が5年超) | ||
株式 | 所有期間は関係なし | |
その他 | 短期(譲渡年した日までの所有期間が5年以下) | 総合課税 |
長期(譲渡年した日までの所有期間が5年超) |
譲渡所得は以下で計算されます。
譲渡所得 = 譲渡収入 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除 |
総合課税
総合課税は、他の所得と合算し、その合計額に対して超過累進課税で課税されます。
取得費は、購入代金のほか、購入手数料や設備費・改良費なども含まれます。但し、使用や経年により減価する資産の場合は、減価償却費相当額を差し引きます。
特別控除の額は、長期と短期の譲渡益の合計額に対し最大50万円です。長期と短期がある場合は、短期から優先的に差し引きます。
分離課税(不動産等)
取得費とは、購入代金のほか、購入手数料や設備費・改良費なども含まれます。但し、使用や経年により減価する資産の場合は、減価償却費相当額を差し引きます。
特別控除額は、一定の要件を満たす場合に適用されます。
- 5,000万円:収用等によち土地建物を譲渡した場合
- 3,000万円:マイホームを譲渡した場合
- 2,000万円:特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合
土地建物等の分離課税の税率は以下になります。
課税長期譲渡所得の税率 | 20%(所得税15%、住民税5%) |
課税短期譲渡所得の税率 | 39%(所得税30%、住民税9%) |
分離課税(株式等)
株式等の分離課税の税率は以下になります。
上場株式等の譲渡所得の税率 | 20%(所得税15%、住民税5%) |
一般株式等の譲渡所得の税率 | 20%(所得税15%、住民税5%) |
一時所得
一時所得は、懸賞・福引・公営ギャンブル等の払戻金、生命保険契約の一時的な所得が該当します。一時所得は以下で計算されます。
一時所得 = 一時収入 - 所得に要した金額 - 特別控除 |
特別控除は最高50万円です。
雑所得
雑所得は、公的年金など、他の所得に該当しない収入です。
公的年金等
公的年金等の雑所得は以下で計算されます。
雑所得 = 雑収入 - 公的年金等控除 |
65歳以上の場合の公的年金控除は以下になります。
公的年金等の収入合計額 | 公的年金等控除 |
~ 330万円未満 | 120万円 |
330万円 ~ 410千円未満 | 収入金額 × 25% + 37.5万円 |
410万円 ~ 770万円未満 | 収入金額 × 15% + 78.5万円 |
770万円 ~ | 収入金額 × 5% + 155.5万円 |
その他の雑所得
その他の雑所得は以下で計算されます。
雑所得 = 雑収入 - 必要経費 |

