連続体とは

/連続体力学

連続体とは

あらゆる物質は、分子などで構成され不連続的な構造を持っていますが、対象とする現象の尺度が分子の構造や運動のそれに比べ桁違いに大きい場合は、「連続体」として扱うことができます。

連続体の分類は、連続体に働く力(以下、応力)とそれによる変位(以下、歪み)の関係により決まります。連続体は大きく弾性体と流体の2つに分かれます。

  • 弾性体:応力によって歪みが生じ、応力が無くなると歪みは元に戻ろうとする。
    応力と歪みが比例する弾性体を線形弾性体(フック弾性体)、それ以外を非線形弾性体と呼びます。
  • 流体:小さな応力でも自由に変形して流れ出し、応力が無くなっても元の形には戻らない。
    面に対し常に垂直方向のみ応力のみ働く流体を完全流体、それ以外を粘性流体と呼びます。

連続体の運動を記述する方法として、ラグランジュ方式とオイラー方式の2つがあります。川の流れを調べる場合で例えると、舟に乗って川を下りながら観察するのがラグランジュ方式、橋の上から川全体を観察するのがオイラー方式と言うことができます。

ラグランジュ方式

ラグランジュ方式は、ある時刻のある素片に着目し、その素片が時間と共にどのように運動するか調べる方法です。弾性体力学では、物体素片の変位そのものを問題するので、ラグランジュ方式がよく用いられます。

初期状態での素片の座標を($X_1,X_2,X_3$)とすると、時刻 $t$ における座標($x_1,x_2,x_3$)は初期座標の関数で表すことができます。

$$x_i=x_i(X_1,X_2,X_3,t)  ,  i=1,2,3$$

ラグランジュ方式の特徴は、初期座標{$X_j$}を独立変数として連続体を記述することです。

運動の連続性より、{$x_i$}と{$X_j$}は1対1に対応しており、これは以下のヤコビアンが有限確定値を取ることを指します。

$$J=\frac{\partial(x_1,x_2,x_3)}{\partial(X_1,X_2,X_3)}=\mathrm{det}\Big(\frac{\partial x_i}{\partial X_j}\Big)$$

オイラー方式

オイラー方式は、ある時刻の空間の各点における物体の状態や変化を調べる方法です。流体力学では、物体の各点の物理量を知ればよいので、オイラー方式がよく用いられます。

任意の物理量 $F$ は、空間座標($x_1,x_2,x_3$)と時刻 $t$ の関数で表すことができます。

$$F=F(x_1,x_2,x_3,t)  -①$$

オイラー方式の特徴は、座標{$x_i$}を独立変数として連続体を記述することです。

①の物理量の微小時間 $\Delta t$ での変化は、$v_i=\partial x_i/\partial t$ と置くと、

$$\Delta F=F(x_i+v_i\Delta t,t+\Delta t)-F(x_i,t)$$

従って、

$$\lim_{\Delta t\to0}\frac{\Delta F}{\Delta t}=\frac{dF}{dt}=\frac{\partial F}{\partial t}+v_i\frac{\partial F}{\partial x_i}$$

特に、物理量がベクトル ${\bf F}$ で、直交直線座標(デカルト座標系)の場合は、以下で表すことができます。

$$\frac{d{\bf F}}{dt}=\frac{\partial{\bf F}}{\partial t}+({\bf v}\cdot\nabla){\bf F}$$

左辺($dF/dt$)は、物体素片の運動に着目したときの物理量の変化を表しており、ラグランジュ的な表現になっています。右辺第1項($\partial F/\partial t$)は、局所的な物理量の変化を表しており、オイラー的な表現になっています。

右辺第2項は物体素片の運動による寄与を表し、右辺第1項が0の場合は定常運動になります。

 

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