光円錐座標とは

/弦理論

光円錐座標

光円錐(light cone)とは、1点から発せられた光が時空上に描く軌跡を指します。光円錐座標とは、この光の進む方向に座標軸をとった座標系です。

4次元時空間を($x_0,x_1,x_2,x_3$)とすると、光円錐座標($x_+,x_-,x_2,x_3$)は以下で定義されます。

$$x_+=\frac{1}{\sqrt{2}}(x_0+x_1)$$$$x_-=\frac{1}{\sqrt{2}}(x_0-x_1)$$

このとき、任意のベクトル ${\bf a}$ も次のように定義することができ、

$$a_+=\frac{1}{\sqrt{2}}(a_0+a_1)$$$$a_-=\frac{1}{\sqrt{2}}(a_0-a_1)$$

任意ベクトル ${\bf b}$ との積は以下のように表すことができます。

$${\bf a}\cdot{\bf b}=-a_0b_0+a_1b_1+a_2b_2+a_3b_3$$$$=-2a_+b_-+a_2b_2+a_3b_3  -①$$

パラメータ付けの制約条件

光円錐座標の場合、超平面の法線 $n_\mu$ を以下で表すと、

$$n_\mu=\Big(\frac{1}{\sqrt{2}},\frac{1}{\sqrt{2}},0,\cdots,0\Big)$$

弦の法線方向の座標と運動量は次のようになります。

$$n\cdot X=\frac{X^0+X^1}{\sqrt{2}}=X^+$$$$n\cdot p=\frac{p^0+p^1}{\sqrt{2}}=p^+$$

以下は、弦の座標と運動量を以下のように置き換えます。尚、横方向座標を添え字 $I$ を使って表します。

$$X=(X^+,X^-,X^I)  ,  X^I\equiv(X^2,\cdots,X^d)$$

$$p=(p^+,p^-,p^I)  ,  p^I\equiv(p^2,\cdots,p^d)$$

これにより、次の開弦の一般化されたパラメータ付けは、

$$n\cdot X=\beta\alpha'(n\cdot p)\tau$$$$n\cdot p=\frac{2\pi}{\beta}(n\cdot P^\tau)$$

光円錐座標の場合、以下のように書き換えることができます。

$$X^+=\beta\alpha’p^+\tau  -②$$$$p^+=\frac{2\pi}{\beta}P^{\tau+}  -③$$

また、次のパラメータ付けの制約条件、

$$(\dot{X}\pm X’)^2=0  -④$$

に光円錐座標を適用すると、以下のように書き換えられます。

$$\dot{X}^-\pm X^{-‘}=\frac{1}{2\beta\alpha’p^+}(\dot{X}^I\pm X^{I’})^2  -⑤$$

⑤の導出

④を①を使って展開すると、

$$-2(\dot{X}^+\pm X^{+’})(\dot{X}^-\pm X^{-‘})+(\dot{X}^I\pm X^{I’})^2=0$$

②より次のことが分かるので、これに代入すると⑤が得られます。

$$\dot{X}^+=\beta\alpha’p^+$$$$X^{+’}=0$$

弦のモード展開

次の弦のモード展開は、

$$X^\mu(\tau,\sigma)=x_0^\mu+\sqrt{2\alpha’}\alpha_0^\mu\tau+i\sqrt{2\alpha’}\sum_{n\ne0}\frac{\alpha_n^\mu}{n}e^{-in\tau}\cos{n\sigma}$$

光円錐座標の場合、以下のように書き換えられます。尚、最初の式は②に$\alpha_0^+=\sqrt{2\alpha’}p^+$ を使っています。

$$X^+(\tau,\sigma)=\beta\alpha’p^+\tau=\beta\alpha_0^+\sqrt{\frac{\alpha’}{2}}\tau$$

$$X^-(\tau,\sigma)=x_0^-+\sqrt{2\alpha’}\alpha_0^-\tau+i\sqrt{2\alpha’}\sum_{n\ne0}\frac{\alpha_n^-}{n}e^{-in\tau}\cos{n\sigma}$$

$$X^I(\tau,\sigma)=x_0^I+\sqrt{2\alpha’}\alpha_0^I\tau+i\sqrt{2\alpha’}\sum_{n\ne0}\frac{\alpha_n^I}{n}e^{-in\tau}\cos{n\sigma}$$

また、次の導関数の線形展開は、

$$\dot{X}^\mu\pm X^{\mu’}=\sqrt{2\alpha’}\sum_{n=-\infty}^{\infty}\alpha_n^\mu e^{-in(\tau\pm\sigma)}$$

光円錐座標の場合、以下のように書き換えられます。

$$\dot{X}^-\pm X^{-‘}=\sqrt{2\alpha’}\sum_{n=-\infty}^{\infty}\alpha_n^-e^{-in(\tau\pm\sigma)}  -⑥$$

$$=\frac{1}{p^+}\sum_{n=-\infty}^{\infty}L_n^\bot e^{-in(\tau\pm\sigma)}  -⑦$$

$$\dot{X}^I\pm X^{I’}=\sqrt{2\alpha’}\sum_{n=-\infty}^{\infty}\alpha_n^Ie^{-in(\tau\pm\sigma)}  -⑧$$

尚、最初の式では、次の横方向のヴィラソロモードを使っています。

$$L_n^\bot\equiv\frac{1}{\beta}\sum_m\alpha_{n-m}^I\alpha_m^I  -⑨$$

⑦の導出

⑤の右辺に⑧を代入すると、

$$\dot{X}^-\pm X^{-‘}=\frac{1}{\beta p^+}\sum_{l,m}\alpha_l^I\alpha_m^Ie^{-il(\tau\pm\sigma)}e^{-im(\tau\pm\sigma)}$$

ここで $n=l+m$($l=n-m$)と置くと、

$$\dot{X}^-\pm X^{-‘}=\frac{1}{\beta p^+}\sum_n\alpha_{n-m}^I\alpha_m^Ie^{-in(\tau\pm\sigma)}$$

これに⑨を代入すると⑦が得られます。

 

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