マクスウェル場の古典論
マクスウェル場とは、マクスウェル方程式に従う電磁場です。真空のまず、古典論について説明します。
尚、電場と磁場には以下の関係があります。
ベクトルポテンシャル
ベクトルポテンシャル
⑧は波動方程式であり、
⑨を⑧と⑥に代入するとそれぞれ以下のようになります。これらにより、
電場や磁場に物理的な意味を持たせるため、⑨の実部(複素共役の和)を解として用いる必要があります。そのため、⑨を以下のように置き換え、全ての波数
また、振幅は進行方向に対し垂直となるため、各波数に対し自由度は2となります。これを単位ベクトルの組(
電場
電場は⑨を⑦に代入することで得られます。
⑪についても同様に書き替えると、
磁場
電場は⑨を⑤に代入することで得られます。
⑪についても同様に書き替えると、
ハミルトニアン
電磁場のハミルトニアンは以下で表されます。
一般化座標を以下で定義すると、
古典論のハミルトニアンは以下で表されます(⑯⑰の導出)。
最後は以下の共役な一般化運動量を使っています。
マクスウェル場の量子論
ハミルトニアン
古典論から量子論へ移るには、
と置き換えればよいので、
演算子
⑳は量子的な調和振動子であるため、
ここで、⑮と⑲より書き換えると、
これを⑯に代入すると、量子論のハミルトニアンは以下のように書き替えられます。
これらの演算子は以下のような性質があります。尚、
ベクトルポテンシャル
⑳と㉑を⑪に代入すると、量子論でのベクトルポテンシャルが得られます。
電場
⑳と㉑を⑫に代入すると、量子論での電場が得られます。
磁場
⑳と㉑を⑬に代入すると、量子論での磁場が得られます。
導出
⑯と⑰を導く
⑭を⑯の左辺に代入し、次に⑫と⑬を代入すると、
この積分が0にならない項は
これは⑩より0になります。一方
⑮の両辺を微分して2乗すると、
⑮両辺を2乗して
(1)と(2)の両辺の和と取ると、
これを⑯に代入すると⑰が得られます。

