図形と計算(数学Ⅰ)
三角比の定義
三角比(三角関数)は以下で定義されます。
$$\sin{x}=\frac{BC}{AC} , \cos{x}=\frac{AB}{AC} , \tan{x}=\frac{BC}{AB}$$
正弦定理
三角形 $ABC$ の各角に対する辺を $a,b,c$ とし、外接円の半径を $R$ とすると、以下の関係が成り立ちます。
$$\frac{a}{\sin{A}}=\frac{b}{\sin{B}}=\frac{c}{\sin{C}}=2R$$
余弦定理
三角形 $ABC$ の各角に対する辺を $a,b,c$ とすると、以下の関係が成り立ちます。
$$a^2=b^2+c^2-2bc\cos{A}$$$$b^2=c^2+a^2-2ca\cos{B}$$$$c^2=a^2+b^2-2ab\cos{C}$$
$$a=c\cos{B}+b\cos{C}$$$$b=a\cos{C}+c\cos{A}$$$$c=b\cos{A}+a\cos{B}$$
三角形の角と辺の関係
三角形 $ABC$ の各角に対する辺を $a,b,c$ とすると、
- 三角形の成立条件:$|b-c|\lt a\lt b+c$
以下の大小関係が成り立ちます。
- $A\lt$ 90° ならば、$a^2\lt b^2+c^2$
- $A=$ 90° ならば、$a^2=b^2+c^2$
- $A\gt$ 90° ならば、$a^2\gt b^2+c^2$
三角形の面積
三角形 $ABC$ の各角に対する辺を $a,b,c$ とすると、面積は以下で表されます。
$$S=\frac{1}{2}bc\sin{A}=\frac{1}{2}ca\sin{B}=\frac{1}{2}ab\sin{C}$$
ヘロンの公式は、$2s=a+b+c$ と置くと以下で表されます。
$$S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}$$
三角形の面積は、内接円の半径を $r$ とすると以下で表されます。
$$S=\frac{1}{2}r(a+b+c)$$
図形の性質(数学A)
二等分線の比
三角形 $ABC$ について、
- 角 $A$ の二等分線が辺 $BC$ と交わる点を $P$ とすると、
$BP:PC=AB:AC$ が成り立つ。 - 角 $A$ の外角の二等分線が辺 $BC$ の延長と交わる点を $Q$ とすると、
$BQ:QC=AB:AC$ が成り立つ。
重心・外心・垂心・内心
各定義は以下になります。
- 重心:三角形の3つの角と対辺の二等分点を結ぶ直線(中線)が交わる点。
- 外心:三角形の3辺の垂直二等分線が交わる点。
- 内心:三角形の3つの内角の二等分線が交わる点。
- 垂心:三角形の3つの角から対辺に下した垂線が交わる点。
チェバの定理
三角形 $ABC$ の3辺 $BC,CA,AB$ 上にそれぞれ点 $P,Q,R$ があり、3つの直線が1点で交わるとき、以下の関係が成り立ちます。
$$\frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB}=1$$
メネラウスの定理
ある直線が三角形 $ABC$ の3辺 $BC,CA,AB$ またはその延長とそれぞれ点 $P,Q,R$ で交わるとき、以下の関係が成り立ちます。
$$\frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB}=1$$
円に内接する四角形
円に内接する四角形では以下が成り立ちます。
- 対角の和は180° である。
- 内角は、その対角の外角に等しい。
円周角と接弦定理
円に内接する三角形について以下の関係が成り立ちます。
- 弦 $AB$ に対する円周角($\angle ACB$ 、$\angle ADB$ )は等しい。
- 弦 $AB$ が直径の場合、円周角は直角になる。
- 接弦定理:円の接点 $A$ とその接点を通る弦 $AB$ による角 $\angle BAE$ と円周角は等しい。
方べきの定理
点 $P$ を通る2直線について、以下の定理が成り立ちます。この定理は、その逆も成り立ちます。
- 円とそれぞれ2点 $A,B$ と2点 $C,D$ で交わるとき、
$PA\cdot PB=PC\cdot PD$ - 一方の直線が円と2点 $A,B$ で交わり、もう一方の直線が点 $T$ で接するとき、
$PA\cdot PB=PT^2$
三垂線の定理
平面 $S$ 上に直線 $L$ があるとき、$L$ 上の点 $A$ 、$L$ 上にない $S$ 上の点 $B$ 、$S$ 上にない点 $P$ について、
- $PB\perp S$ 、$AB\perp L$ ならば、$PA\perp L$
- $PB\perp S$ 、$PA\perp L$ ならば、$AB\perp L$
- $PA\perp L$ 、$AB\perp L$ 、$PB\perp AB$ ならば、$PB\perp S$
オイラーの多面体定理
凸多面体の頂点の数を $a$ 、辺の数を $b$ 、面の数を $c$ とすると以下の関係が成り立ちます。
$$a-b+c=2$$

