2次関数(数Ⅰ)
2次関数のグラフ
2次関数のグラフは以下になります。
- $y=a(x-p)^2+q$($a\ne0$)のグラフ
頂点が($p$ 、$q$)で、$a\gt0$ なら下に凸、$a\lt0$ なら上に凸の放物線を表す。 - $y=ax^2+bx+c$($a\ne0$)のグラフ
頂点が以下で、$a\gt0$ なら下に凸、$a\lt0$ なら上に凸の放物線を表す。
$$y=a\Big(x+\frac{b}{2a}\Big)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}$$$$\mbox{頂点:}\Big(-\frac{b}{2a},-\frac{b^2-4ac}{4a}\Big)$$
与えられた条件により、2次関数は以下のように求められます。
- 頂点($p,q$)が与えられた場合、
⇒ $y=a(x-p)^2+q$ とおく。 - 3点が与えられた場合、
⇒ $y=ax^2+bx+c$ に代入して3つの連立方程式を解く。
平行移動と対称移動
関数の平行移動と対称移動は以下のように変換されます。
元の点/関数 | 点($a,b$) | 関数 $y=f(x)$ |
($p,q$)の平行移動 | ($a+p,b+q$) | $y=f(x-p)+q$ |
$x$ 軸の対称移動 | ($a,-b$) | $y=-f(x)$ |
$y$ 軸の対称移動 | ($-a,b$) | $y=f(-x)$ |
原点の対称移動 | ($-a,-b$) | $y=-f(-x)$ |
関数の最大と最小
区間が定められていない2次関数($y=ax^2+bx+c$)の場合は、平方完成しての形 $y=a(x-p)^2+q$ にします。
- $a\gt0$(下に凸)のとき、$x=p$ で最小値は $q$ 、最大値はない。
- $a\lt0$ (上に凸)のとき、$x=p$ で最大値は $q$ 、最小値はない。
区間($h\le x\le k$)が定められている場合の関数($y=ax^2+bx+c$)の場合、
- $a\gt0$(下に凸)のとき、
区間内に頂点がある場合、頂点で最小、頂点から遠い区間の端で最大。
区間内に頂点がない場合、頂点に近い区間の端で最小、遠い端で最大。 - $a\lt0$(上に凸)のとき、
区間内に頂点がある場合、頂点で最大、頂点から遠い区間の端で最小。
区間内に頂点がない場合、頂点に近い区間の端で最大、遠い端で最小。
解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解の公式は以下になります。
$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
この2つの解を $\alpha,\beta$ とすると、
$$ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)$$$$\alpha+\beta=-\frac{b}{a} , \alpha\beta=\frac{c}{a}$$
判別式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ は、判別式 $D=b^2-4ac$ に対し、
- $D\gt0$ ならば、異なる2つの実数解をもつ。
- $D=0$ ならば、ただ1つの実数解(重根)をもつ。
- $D\lt0$ ならば、実数解をもたない。
2次関数 $y=ax^2+bx+c$ は、判別式 $D=b^2-4ac$ に対し、
- $D\gt0$ ならば、$x$ 軸と異なる2点で交わる。
- $D=0$ ならば、$x$ 軸と1点で接する。
- $D\lt0$ ならば、$x$ 軸と共有点をもたない。
2次不等式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$($a\gt0$)が2つの解 $\alpha,\beta$($\alpha\lt\beta$)、または重根 $\alpha$ を持つ場合、判別式 $D$ と解の関係は以下になります。
2次不等式 | $D\gt0$ | $D=0$ | $D\lt0$ |
$ax^2+bx+c\gt0$ | $x\lt\alpha$ 、$\beta\lt x$ | なし | 全ての実数 |
$ax^2+bx+c\lt0$ | $\alpha\lt x\lt\beta$ | なし | なし |
$ax^2+bx+c\ge0$ | $x\le\alpha$ 、$\beta\le x$ | $x=\alpha$ | 全ての実数 |
$ax^2+bx+c\le0$ | $\alpha\le x\le\beta$ | $x=\alpha$ | なし |
2次関数 $f(x)=ax^2+bx+c$($a\gt0$ 、$D\gt0$)の場合、点 $k$ との関係は以下になります。
- $k\lt\alpha$ ならば、$f(k)\gt0$
- $\alpha\lt k\lt\beta$ ならば、$f(k)\lt0$
- $\beta\lt k$ ならば、$f(k)\gt0$
その他関数(数Ⅲ)
逆関数と合成関数
- 逆関数
$y=f(x) \Leftrightarrow x=g(y)$ のとき、$g$ は $f$ の逆関数になり、$g(x)=f^{-1}(x)$ で表されます。このとき、$f(x)$ と $g(x)$ は直線 $y=x$ に関して対称になります。 - 合成関数
関数 $f$ と関数 $g$ の合成関数は $g\circ f$ で表します。一般に $g\circ f$ と $f\circ g$ は一致しません。
$$(g\circ f)(x)=g(f(x))$$
分数関数
分数関数を以下のように変形すると、
$$y=\frac{ax+b}{cx+d} \to y=\frac{k}{x-p}+q$$
以下の特徴を持つことが分かります。
- 漸近線が直線 $x=p$ 、$y=q$ の直角双曲線。
- $y=k/x$ を $x$ 軸方向に $p$ 、$y$ 軸方向に $q$ 移動させたグラフ。
- 分数関数が逆関数をもつ条件は $ad-bc\ne0$
無理関数
無理関数を以下のように変形すると、
$$y=\sqrt{ax+b} \to y=\sqrt{a(x-p)}$$
以下の特徴を持つことが分かります。
- 軸が $x$ 軸、頂点が原点の放物線 $y=\sqrt{ax}$( $y^2=ax$ )を、$x$ 軸方向に $p=-b/a$ 平行移動させたグラフ。
複素数(数Ⅲ)
複素数 $z$ は虚数 $i$ と実数 $a$ 、$b$ により以下で定義されます。
$$z=a+bi$$
複素共役と絶対値
- 複素数 $z$ の共役を $z^*$ で表すと以下の関係が成り立ちます。
$(z^*)^*=z$
$z$ が実数 ⇔ $z^*=z$
$z$ が純虚数 ⇔ $z^*=-z$
$z+z^*$ 、$zz^*$ は常に実数で、特に $zz^*\ge0$
- 複素数の演算は以下になります。
$$(z_1\pm z_2)^*=z_1^*\pm z_2^*$$$$(z_1z_2)^*=z_1^*z_2^*$$$$\Big(\frac{z_1}{z_2}\Big)^*=\frac{z_1^*}{z_2^*} (z_2\ne0)$$$$(z^n)^*=(z^*)^n$$ - 複素数の絶対値は以下で定義されます。
$$|z|=\sqrt{a^2+b^2}$$ - 複素数の絶対値の性質は以下になります。
$$|z|=0 \Leftrightarrow z=0$$$$|z|=|-z|=|z^*|$$$$zz^*=|z|^2$$$$|z_1z_2|=|z_1||z_2|$$$$\Big|\frac{z_1}{z_2}\Big|=\frac{|z_1|}{|z_2|} (z_2\ne0)$$
2点 $z_1$ 、$z_2$ 間の距離:$|z_2-z_1|$
極形式
- 複素数 $z=a+bi$ を極形式で表すと以下になります。
$$z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})$$$$r=\sqrt{a^2+b^2}$$$$\theta=\tan^{-1}{\frac{b}{a}}$$ - 2つの複素数 $z_1$ 、$z_2$ を以下の極形式で表すと、
$$z_1=r_1(\cos{\theta_1}+i\sin{\theta_1})$$$$z_2=r_2(\cos{\theta_2}+i\sin{\theta_2})$$ - 極形式の乗法は以下になります。
$z_1$ に $z_2$ を掛けると、$z_1$ の原点からの距離 $r_2$ を倍し、角 $\theta_2$ 回転させる変換になります。
$$z_1z_2=r_1r_2\Big(\cos{(\theta_1+\theta_2)}+i\sin{(\theta_1+\theta_2)}\Big)$$$$\arg{z_1z_2}=\arg{z_1}+\arg{z_2}$$
- 極形式の除法は以下になります。
$$\frac{z_1}{z_2}=\frac{r_1}{r_2}\Big(\cos{(\theta_1-\theta_2)}+i\sin{(\theta_1-\theta_2)}\Big)$$$$\arg{\frac{z_1}{z_2}}=\arg{z_1}-\arg{z_2}$$
ド・モアブルの定理
- $n$ が整数のとき以下の関係が成り立ちます。
$$(\cos{\theta}+i\sin{\theta})^n=\cos{n\theta}+i\sin{n\theta}$$ - 1の乗根は $n$ 個存在し、それを $z_k$($k=0,1,\cdots,n-1$)とすると以下で表されます。
$$z_k=\cos{\frac{2k\pi}{n}}+i\sin{\frac{2k\pi}{n}}$$
複素数と図形
- 複素数 $z_1,z_2$ を結ぶ線分を $\overline{z_1z_2}$ とすると、内分点・外分点・中点は以下になります。
$$\mbox{線分 }\overline{z_1z_2}\mbox{ を }m:n\mbox{ に内分する点} : \frac{nz_1+mz_2}{m+n}$$$$\mbox{線分 }\overline{z_1z_2}\mbox{ を }m:n\mbox{ に外分する点} : \frac{-nz_1+mz_2}{m-n}$$$$\mbox{線分の中点 }: \frac{z_1+z_2}{2}$$ - 原点0と2つの複素数 $\alpha$ 、$\beta$ の3点が直線上にある場合、$\beta=k\alpha$ の関係が成り立つ実数 $k$ が存在します。
- 複素数の方程式の表す図形について、
$|z-z_0|=r$($r\gt0$)は中心 $z_0$ 、半径 $r$ の円
$$\frac{|z-z_1|}{|z-z_2|}=\frac{m}{n} \left\{\begin{array}{ll}
m=n & \mbox{線分の垂直二等分線} \\
m\ne n & m:n\mbox{の内分点と外分点を両端とする円} \end{array}\right.$$
$$\frac{z_1-z_0}{z_2-z_0} \left\{\begin{array}{ll}
\mbox{実数} & \Leftrightarrow \overline{z_0z_1}\parallel\overline{z_0z_2} \\
\mbox{純拠数} & \Leftrightarrow \overline{z_0z_1}\perp\overline{z_0z_2} \end{array}\right.$$
- 線分 $\overline{z_0z_1}$ と線分 $\overline{z_0z_2}$ のなす角を $\angle\overline{z_1z_0z_2}$ で表すと、
$$\angle\overline{z_1z_0z_2}=\arg{\frac{z_1-z_0}{z_2-z_0}}$$
極限(数Ⅲ)
数列の極限
$k\to\infty$ のとき $a_k\to\alpha$ 、$b_k\to\beta$ ならば、
$$\lim_{k\to\infty}(ma_k+nb_n)=m\alpha+n\beta$$$$\lim_{k\to\infty}a_kb_n=\alpha\beta$$$$\lim_{k\to\infty}\frac{a_k}{b_k}=\frac{\alpha}{\beta}$$
$$\lim_{k\to\infty}r^k= \left\{\begin{array}{ll}
\infty & r\gt10 \\
1 & r=1 \\
0 & |r|\lt1 \\
\mbox{振動} & r\le-1 \end{array}\right.$$
無限級数
- 無限級数が収束する条件
$$\sum_{k=1}^\infty a_k \mbox{が収束} \Leftrightarrow \lim_{k\to\infty}a^k=0$$ - 特に無限等比級数の場合
$$\sum_{k=1}^\infty a_k=\frac{a}{1-r} (|r|\lt1)$$ - 循環小数の表示
$$0.444\cdots=\sum_{k=1}^\infty\frac{4}{10}\Big(\frac{1}{10}\Big)^{k-1}=\frac{4}{10}\cdot\frac{1}{1-1/10}=\frac{4}{9}$$
関数の極限
- $x\to a$ のとき $f(x)\to\alpha$ 、$g(x)\to\beta$ ならば、
$$\lim_{x\to a}\Big(mf(x)+ng(x)\Big)=m\alpha+n\beta$$$$\lim_{x\to a}f(x)g(x)=\alpha\beta$$$$\lim_{x\to a}\frac{f(x)}{g(x)}=\frac{\alpha}{\beta}$$ - 特に $f(x)\le h(x)\le g(x)$ で $\alpha=\beta$ ならば、
$$\lim_{x\to a}h(x)=\alpha$$ - 対数関数の極限
$$(a\gt 1) \lim_{x\to\infty}\log_a{x}=\infty , \lim_{x\to+0}\log_a{x}=-\infty$$$$(0\lt a\lt 1) \lim_{x\to\infty}\log_a{x}=-\infty , \lim_{x\to+0}\log_a{x}=\infty$$
- 三角関数の極限
$$\lim_{x\to0}\frac{\sin{x}}{x}=\lim_{x\to0}\frac{x}{\sin{x}}=1$$$$\lim_{x\to0}\frac{\tan{x}}{x}=1$$ - 関数 $f(x)$ が $x=a$ で連続とは、
閉区間で連続な関数は、その閉区間で最大値と最小値をもちます。
$$\mbox{極限値} \lim_{x\to a}f(x) \mbox{が存在して} \lim_{x\to a}f(x)=f(a)$$

