ハミルトンの原理を導く

/解析力学

ハミルトンの原理とは

ハミルトンの原理とは、19世紀の物理学者であるハミルトンによって与えられた力学の原理です。力学系において実際に起こる運動は、運動の経過におけるある量(作用)が極値になるという条件によって導かれることが示されています。この原理より、古典力学の運動方程式を導くことが可能です。

質点系の行う仕事を $W$、運動エネルギーを $K$、運動の時間範囲を $t_1\to t_2$ とすると、ハミルトンの原理は以下で表すことができます。この時間積分が極値をとる運動が、実際の起こる運動であると考えられます。

$$\delta\int_{t1}^{t2}(K+W)dt=0$$

質点に働く力がポテンシャル($V$)による場合、$\delta’W=-\delta V$と置き換えることができ、ハミルトンの原理は以下で表されます。ここで、$L$ はラグラジアンを表します。

$$\delta\int_{t1}^{t2}(K-V)dt=\delta\int_{t1}^{t2}Ldt=0$$

ハミルトンの原理を導く

始点 $P_1$ から終点 $P_2$ への運動($P_1CP_2$)における、運動エネルギー($K$)の時間積分を考えます。一般に、この物理量は”作用”と呼ばれます。

$$\int_{t1}^{t2}Kdt$$

この物理量の微小変位を取ります。このとき、途中の束縛条件を満たす別の運動($P_1C’P_2$)の運動エネルギーを $K’$ とします。$P_1CP_2$ と $P_1C’P_2$ は、始点と終点の状態は同じで、途中の過程が異なる運動です。

$$\delta\int_{t1}^{t2}Kdt=\int_{t1}^{t2}(K’-K)dt=\int_{t1}^{t2}\delta Kdt  -①$$

以下、$\delta K$を計算します。

$$\delta K=\delta\left(\frac{m}{2}{\bf v}^2\right)=m{\bf v}\cdot(\delta{\bf v})=m{\bf v}\cdot\frac{d}{dt}(\delta{\bf r})$$

これを①の右辺に代入し、部分積分を行います。

$$\int_{t1}^{t2}m{\bf v}\cdot\frac{d}{dt}(\delta{\bf r})dt=\Bigl[m{\bf v}\cdot(\delta{\bf r})\Bigr]_{t1}^{t2}-\int_{t1}^{t2}m\dot{{\bf v}}\cdot(\delta{\bf r})dt$$

このとき、$t_1$ と $t_2$ での変位は0になるため、右辺の第1項は0になります。従って、

$$\delta\int_{t1}^{t2}Kdt=-\int_{t1}^{t2}m\dot{{\bf v}}\cdot(\delta{\bf r})dt=-\int_{t1}^{t2}{\bf F}\cdot(\delta{\bf r})dt$$

この右辺は力 ${\bf F}$ による仕事の変位に等しくなります。

$$\delta\int_{t1}^{t2}Kdt=-\int_{t1}^{t2}\delta’Wdt$$

 

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