ディラック場とは

/場の量子論

ディラック場とは、ディラック方程式に従うフェルミ粒子を記述する場です。フェルミ粒子はスピン1/2をもつため、スピノル場と呼ばれます。

ディラック方程式

ディラック方程式は、

$$i\hbar\frac{\partial\psi}{\partial t}=(-ic\hbar{\bf\alpha}\cdot\nabla+\beta mc^2)\psi$$

以下で定義されるガンマ行列 $\gamma^\mu$ を使うと、

$$\gamma^0\equiv\beta  ,  \gamma^i=\beta\alpha_i$$

以下のように表されます。

$$i\hbar\gamma^\mu\frac{\partial\psi}{\partial x^\mu}-mc\psi=0  -①$$

共役なディラック方程式は、ディラック共役を $\bar{\psi}\equiv\psi^\dagger\gamma^0$ で定義すると、以下で表されます。

$$i\hbar\frac{\partial\bar{\psi}}{\partial x^\mu}\gamma^\mu-mc\bar{\psi}=0  -②$$

②は、①で $\dagger$ をとり、右から $\gamma^0$ を掛けることで得られます。

ラグラジアンと共役場

ディラック方程式①と②は次のラグラジアン密度から導くことができます。

$${\mathcal L}=c\bar{\psi}\Big(i\hbar\gamma^\mu\frac{\partial}{\partial x^\mu}-mc\Big)\psi$$

これは、$\psi_r=\psi,\bar{\psi}$ を独立とみなし、以下のオイラー・ラグランジュ方程式により確かめることができます。

$$\frac{\partial{\mathcal L}}{\partial\psi_r}-\frac{\partial}{\partial x^\mu}\Big(\frac{\partial{\mathcal L}}{\psi_{r,\mu}}\Big)=0$$

ラグラジアンから、$\psi$、$\bar{\psi}$ に対する共役場 $\pi$、$\bar{\pi}$ を導くことができます。

$$\pi\equiv\frac{\partial{\mathcal L}}{\partial\dot{\psi}}=i\hbar\psi^\dagger$$

$$\bar{\pi}\equiv\frac{\partial{\mathcal L}}{\partial\dot{\bar{\psi}}}=0$$

ハミルトニアン

ハミルトニアン密度 ${\mathcal H}$ は、定義より計算することができます。

$${\mathcal H}\equiv\pi\dot{\psi}-{\mathcal L}=\bar{\psi}\Big(-ic\hbar\gamma^j\frac{\partial}{\partial x^j}+mc^2\Big)\psi$$

このとき、ハミルトニアン $\mathrm{H}$ は以下で求められます。

$$\mathrm{H}=\int{\mathcal H}dx^3=\int dx^3\bar{\psi}\Big(-ic\hbar\gamma^j\frac{\partial}{\partial x^j}+mc^2\Big)\psi$$

運動量

ネーターの定理の結果より、運動量は以下で表されます。

$$P^j=\int d^3x\frac{\partial{\mathcal L}}{\partial\dot{\phi}_r}\frac{\partial\phi_r}{\partial x_j}=i\hbar\int d^3x\psi^\dagger\nabla\psi$$

ネーターの定理を導く
系に対称性はそれに対応した保存則があることを示した定理、連続の方程式、エネルギーと運動量の保存則、運動量の保存則

ディラック方程式の解

ディラック方程式①は、次の4つの解(平面波)をもちます。

$$\psi=\frac{1}{\sqrt{V}}u_r(p)e^{-ipx/\hbar} , \frac{1}{\sqrt{V}}v_r(p)e^{ipx/\hbar} , r=1,2$$

これを①に代入すると、それぞれ以下の式が得られます。

$$(\gamma^\mu p_\mu-mc)u_r(p)=0$$

$$(\gamma^\mu p_\mu+mc)v_r(p)=0$$

 

量子物理
量子論、量子力学、場の量子論、弦理論
数理の散策路
力学、電磁気・相対論、熱・統計力学、量子力学、物性物理、機械学習、情報処理、金融、物理数学

Wikipedia

 

タイトルとURLをコピーしました