電場のガウスの法則
ガウスの法則とは、電場を閉曲面上で積分すると、閉曲面内の電荷に等しくなるという法則です。電場のガウスの法則を微分形式で書くと以下になります。
$$\nabla\cdot{\bf D}=\rho$$
導出
電場(電束密度)は以下で表されますが、
$${\bf D}=\frac{1}{4\pi}\frac{q}{r^2}\frac{{\bf r}}{r}$$
これを閉曲面 $S$ 上で積分すると以下になります。
$$\oint_S{\bf D}\cdot d{\bf S}=q -①$$
尚、$q$ は閉曲面内の電荷の総量であるため、電荷密度 $\rho$ の体積積分で表されます。
$$\int_V\rho dV=q -②$$
①の左辺にガウスの発散定理を使うと、面積分を体積分に書き換えることができます。
$$\oint_S{\bf D}\cdot d{\bf S}=\int_V\nabla\cdot{\bf D}dV -③$$
②と③より以下が導かれます。これは、積分で表したガウスの法則になります。
$$\int_V\nabla\cdot{\bf D}dV=\int_V\rho dV$$
磁場のガウスの法則
磁場の場合にも同様の法則が成立ちますが、磁場の場合には”磁荷”は存在しないため、閉曲面上の積分は常に0となります。これらのガウスの法則は、電磁場の基本方程式であるマクスウェルの方程式の一部に組み込まれています。
磁場のガウスの法則を微分形式で書くと以下になります。
$$\nabla\cdot{\bf B}=0$$
導出
磁場(磁束密度)は以下で表されます。
$${\bf B}=\frac{1}{4\pi}\frac{M}{r^2}\frac{{\bf r}}{r}$$
ここで磁荷($M$)は仮想上のもので、電荷のような吹き出し口(プラス電荷)や吸い込み口(マイナス電荷)は存在しないため、磁束密度を閉曲面 $S$ 上で積分すると常に0となります。つまり、閉曲面から出る磁束と入る磁束は常に等しくなります。
$$\oint_S{\bf B}\cdot d{\bf S}=0 -④$$
ここで、左辺にガウスの発散定理を使い、面積分を体積分に書き換えることができます。
$$\oint_S{\bf B}\cdot d{\bf S}=\int_V\nabla\cdot{\bf B}dV -⑤$$
④と⑤より以下が導かれます。これは、積分で表したガウスの法則になります。
$$\int_V\nabla\cdot{\bf B}dV=0$$

