保険約款と保険証券

/年金・保険

保険約款

保険約款は、保険会社と契約者との間で取り交わされる約束で、お互いの権利義務を規定し公平に契約できること目的としています。保険約款には以下の項目が定められています。

告知と診査

告知義務(質問応答義務)とは、保険会社が定めた告知事項について、被保険者または契約者(告知義務者)が事実を伝えることです。告知義務者が故意または重大な過失により事実を告知しなかった場合は、告知義務違反となります。

診査とは、医師等による被保険者の健康調査で、以下のような種類があります。

  • 社医(生命保険会社所属の医師)や嘱託医(生命保険会社が委託した開業医)による所定の健康診断
  • 勤務先が設定した健康診断の結果(健康管理証明書)
  • 病院等で実施した人間ドック等の検査成績表
  • 健康保険面接士(生命保険協会が定める専門資格者)による健康調査報告書

保険会社が告知義務違反を知った場合、当該保険契約を解除することができます。保険契約を解除すると、それ以前に保険事故が発生していても、保険金や給付金は支払われません。

承諾と責任開始

契約の承諾とは、保険契約の申込み内容や告知(診査)に対し保険会社が保険契約の引き受けを認めることです。契約では以下の内容を選択できます。

  • 保険料の支払い方法
    口座振替、団体扱い、クレジットカード、振替送金など。
  • 保険料の払込み期間
    全期払込み、短期払込み(有期払込み)など。
  • 保険料の払込み回数
    分割払い(月払い・半年払い・年払い)、一時払いなど。

責任開始期とは、保険会社が契約上の責任を開始(保障を開始)する時期です。保険会社の承諾または承諾を前提に、①申し込み、②告知(診査)、③第1回保険料の払込みの3つが完了した時点を指します。

猶予期間と失効

契約が有効に継続するためには、保険料を支払期日までに払込む必要がありますが、払込みが遅れたとしてもすぐに保険の効力が失われることはなく、猶予期間が設けられています。

猶予期間内に保険料の払込みができない場合、契約は効力を失います(失効)。猶予期間の満了日の翌日に契約は失効します。

失効後も所定の期間内であれば、保険会社や商品によっては、契約を元の状態に戻すことができます(復活)。尚、復活できない場合でも、解約返戻金を請求することはできます。

保険金の支払い

  • 死亡保険金
    保険金は、被保険者が死亡・高度障害のとき、または満期で生存していたときなどに、受取人に支払われます。尚、責任開始期から一定期間内の自殺、契約者または受取人の故意、戦争その他の変乱の場合は保険金は支払われません。
  • リビング・ニーズ特約
    原因に関わらず余命6ヵ月以内と医師により判断された場合、死亡保険金の一部または全部を生前に受け取ることができます。

保険料支払い免除

保険金が支払われると保険契約(特約)は消滅します。約款に定めがあるときは、被保険者が不慮の事故による障害を直接の原因として、180日以内に所定の身体障害の状態に該当した場合に保険料の払込みが免除されます。

保険証券

保険証券とは、保険契約を結んだ際に保険会社から交付される、契約内容を具体的に記載した証書です。特に留意が必要な保険証券の項目は以下になります。

  • 契約形態、被保険者加入時の年齢、税制面、受取り人数や受取割合
  • 保険種類、契約日、保障内容と契約期間、更新されている場合はその内容
  • 死亡保障、生前給付保障、医療保障
  • 保証額、給付額

裏書事項

契約者や受取人の変更、特約の変更、保険金の変更などの場合、保険証券の裏面に記載されます。これにより契約から現在までの流れを把握することができます。

 

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