個人情報保護法とは

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個人情報保護法

個人情報保護法(正式名称:個人情報の保護に関する法律)は、個人の権利や利益を守りつつ、個人情報を適正かつ有効に活用するために制定された法律です。

情報化社会において個人情報の流出や悪用を防ぐため、事業者が遵守すべきルールを定めています。

主な規定と事業者の義務
  1. 取得・利用時のルール
    • 利用目的を特定し、原則として通知または公表する。
    • 原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに目的外利用を行わない。
  2. 保管・管理のルール
    • 漏洩防止のために安全管理措置(アクセス制限や暗号化など)を講じる。
    • 従業員や委託先の適切な監督を行う。
  3. 第三者提供の制限
    • 原則として、本人の同意なしに第三者へ個人情報を提供してはならない(法令に基づく場合などを除く)。
  4. 本人の権利(開示・訂正・利用停止等)
    • 本人は、事業者に対して自己の個人情報の開示、訂正、削除、利用停止などを請求できる。
対象となる事業者

営利・非営利を問わず、データベース化した個人情報を事業活動で取り扱うすべての事業者(企業、個人事業主、NPO法人、自治会など)が対象となります。取り扱う個人情報の件数に関わらず適用されます。

近年の法改正(2020年・2022年など)の主なポイント
  1. 本人の権利保護強化
    • 短期間で消去するデータも開示・利用停止請求の対象に拡大。
    • 漏洩等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化。
  2. 事業者の責務と違法行為への対応
    • 違法・不当な行為を助長するおそれがある利用など、不適正な利用の禁止を明記。
    • 法人に対する罰則の上限額(最大1億円の罰金など)を引き上げ。
  3. データ利用の推進
    • イノベーション創出のため、特定の情報を削除して個人を復元できないようにした仮名加工情報などの枠組みを設定。

個人情報を扱う事業者は、プライバシーポリシ(個人情報保護方針)の制定や安全管理措置の徹底が必要とされています。

情報の加工

個人情報保護法では、情報の保護と活用のバランスをとるため、データの処理レベル(識別可能性)に応じて、個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報の3つに分類されています。

最も大きな違いは、誰のことか特定できるか、他の情報と照合して復元できるかという点です。

3つの情報の比較一覧
区分 定義・特徴 本人特定性 第三者提供 主な用途・メリット
個人情報 氏名や住所など、単体または他情報との照合で特定できる情報 ◯ 可能 ✕ 原則禁止(本人の同意が必要) 顧客管理、商品の発送、個別サービスの提供
仮名加工情報 氏名などを削除し、他の情報と照合しない限り特定できないように加工した情報 △ 照合すれば可能 ✕ 原則禁止(同意があっても不可) 社内での分析、AI学習、新サービス開発などの内部利用
匿名加工情報 特定の個人を再識別できないよう加工し、復元も不可能な情報 ✕ 不可能 ◯ 可能
(同意なしで外部提供可)
ビッグデータ解析、他社とのデータ連携・オープンデータ化
具体的な加工イメージ
  1. 個人情報:「山田太郎、35歳、東京都渋谷区…、購買履歴:A商品」
  2. 仮名加工情報:「ID: A1234, 35歳、東京都渋谷区…、購買履歴:A商品」
    • 社内にある「IDと氏名の対応表」を使えば山田さんだと分かるが、それ単体では分からない状態。
  3. 匿名加工情報:「30代、東京都、購買履歴:A商品」
    • 特有のIDや詳細な属性も削除・丸め処理を行い、対応表を破棄して二度と特定できない状態。
実務における使い分け
  1. 個人情報として使う
    • 目的:各ユーザに最適化したサービスを提供したいとき。
    • 対応:厳重な管理と、利用目的の事前公表・通知が必要。
  2. 仮名加工情報として使う
    • 目的:顧客データを安全に社内分析・AI学習に活用したいとき。
    • 対応:利用目的の変更手続きが緩和されるため、当初想定していなかった社内分析に使いやすくなります。ただし第三者提供はできません。
  3. 匿名加工情報として使う
    • 目的:自社の購買データを研究機関に提供したり、他社と売買・共有してビジネスに活かしたいとき。
    • 対応:加工基準を遵守し、どのような情報を第三者提供するか公表する必要があります。

個人関連情報

個人関連情報とは、生存する個人に関する情報であって、単体では特定の個人を識別できない情報(個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報のいずれにも該当しないもの)を指します。

2020年の法改正(2022年施行)で新設された概念で、主にCookie情報、端末識別子、IPアドレス、Web閲覧履歴、位置情報などが該当します。

4つの区分の位置づけと比較
区分 本人特定性 他情報との照合 第三者提供の同意 主な特徴・用途
個人情報 ◯ 可能 容易に可能 必要 (本人同意) 氏名・住所など。最も厳格な保護管理が必要。
仮名加工情報 △ 照合で可能 社内対応表で可能 不可 (同意があっても原則禁止) 社内での分析・AI学習に特化した加工データ。
匿名加工情報 ✕ 不可能 復元不可能に加工 不要 (公表のみで可) 完全匿名化データ。外部への提供・販売が可能。
個人関連情報 ✕ 単体では不可 提供先で照合される可能性がある 提供先での紐付け方法による Cookie、IPアドレス、閲覧履歴など。単体では個人情報ではないデータ。
個人関連情報が新設された背景と注意点

従来の法律では、提供元で個人を特定できなければ自由な第三者提供が可能でした。しかし、提供先が独自のデータと紐付けることで、実質的に悪用される懸念が生じました。そのため、以下のルールが定められています。

  1. 提供先で個人データになる場合のルール
    • 提供元が個人関連情報を第三者に渡す際、提供先が別のデータと紐付けて個人データとして取得することが予見される場合は、あらかじめ提供先が本人の同意を得ているか確認する必要があります。
  2. 提供元・提供先ともに単体で扱う場合
    • 取得したデータを単に分析目的で受け取るだけで、個人と紐付けない場合は従来通り同意なしで取得可能です。
使い分けのまとめ
  • 個人情報:
    直名データとして顧客管理などに使用。
  • 仮名加工情報:
    安全な社内分析・AI学習に使用。
  • 匿名加工情報:
    社外へのオープンデータ提供やデータ販売に使用。
  • 個人関連情報:
    広告配信やアクセス解析に使用(提供先で個人情報と紐付ける場合のみ同意確認が必要)。

 

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