微分と積分(数学Ⅱ)
導関数
導関数の定義は以下になります。
$$f'(x)=\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$$
これにより導関数の公式は以下になります。
- $n$ が正の整数のとき、$(x^n)’=nx^{n-1}$
- $c$ が定数で、$y=c$ ならば、$y’=0$
- $k,l$ が定数で、$y=kf(x)\pm lg(x)$ ならば、$y’=kf'(x)\pm lg'(x)$
接線の方程式
曲線 $y=f(x)$ 上の点 $(a,f(a))$ における接線の方程式は以下になります。
$$y-f(a)=f'(a)(x-a)$$
関数の極大と極小
- ある区間で常に、
$f'(x)\gt0$ ならば、$f(x)$ はその区間で増加
$f'(x)\lt0$ ならば、$f(x)$ はその区間で減少 - $f'(a)=0$ となる $x=a$ を境にして、
$f'(a)$ が正から負に変われば、$f(a)$ は極大値
$f'(a)$ が負から正に変われば、$f(a)$ は極小値
不定積分
$n$ が正の整数または0のとき、
$$\int x^ndx=\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C$$
定積分
$f(x)$ の原始関数の1つを $F(x)$ とすると、
$$\int_a^bf(x)dx=\Big[F(x)\Big]_a^b=F(b)-F(a)$$
$k,l$ を定数とすると、定積分は以下の性質をもちます。
$$\int_a^b\Big(kf(x)\pm lg(x)\Big)dx=k\int_a^bf(x)dx\pm l\int_a^bg(x)dx$$$$\int_a^af(x)dx=0$$$$\int_a^bf(x)dx=-\int_b^af(x)dx$$$$\int_a^bf(x)dx=\int_a^cf(x)dx+\int_c^bf(x)dx$$$$\frac{d}{dx}\int_a^xf(t)dt=f(x)$$
偶関数と奇関数の原点に対称な積分は以下になります。
$$\int_{-a}^ax^{2n}dx=2\int_0^ax^{2n}dx$$$$\int_{-a}^ax^{2n-1}dx=0$$
曲面間の面積
区間 $a\le x\le b$ において、$f(x)\ge g(x)$ であるとき、この2つの曲線に囲まれた面積は、
$$S=\int_a^b\Big(f(x)-g(x)\Big)dx$$
確率分布と統計的な推測(数学B)
期待値と分散
$X$ を確率変数とすると、期待値(平均)$E(X)$ と分散 $V(X)$ は以下で定義されます。
$$E(X)=\sum_{k=1}^np_kx_k$$$$V(X)=E((X-E(X))^2)=E(X^2)-(E(X))^2$$

確率変数の和と積
$X,Y$ は確率変数、$a,b$ は定数の場合、
- $E(aX+b)=aE(X)+b$
- $V(aX+b)=a^2V(X)$
- $E(aX+bY)=aE(X)+bE(X)$
- $E(XY)=E(X)E(Y)$
- $V(aX+bY)=a^2V(X)+b^2V(X)$
二項分布
確率変数 $X$ が二項分布 $B(n,p)={}_nC_rp^rq^{n-r}$ 、($p+q=1$)に従うとき、
- $E(X)=np$
- $V(X)=npq$
正規分布
確率変数 $X$ が正規分布 $N(m,\sigma^2)$ に従うとき、
- $E(X)=m$
- $V(X)=\sigma^2$
以下の場合、確率変数 $Z$ は標準正規分布 $N(0,1)$ に従います。
- 確率変数 $X$ が正規分布 $N(m,\sigma^2)$ に従うときの $Z=(X-m)/\sigma$
- 確率変数 $X$ が二項分布 $B(n,p)$ に従うときの $Z=(X-np)/\sqrt{npq}$
標本平均
母集団から $n$ 個抽出する場合、標本の平均 $\bar{X}$ の平均と標準偏差は、
$$E(\bar{X})=m$$$$\sigma(\bar{X})=\frac{\sigma}{\sqrt{n}}$$
$n$ が十分大きければ、標本平均は正規分布 $N(m,\sigma^2/n)$ と見なすことができます。

