相続財産の評価

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宅地の評価

宅地の評価方法には路線価方式と倍率方式があり、さらに利用単位により算出方法が異なります。

路線価方式

路線価方式は、主に市街地がある路線価が付されている宅地で利用され、その宅にの面する路線(道路)に付された路線価(宅地1㎡当りの価額)に地積(面積)を掛けて評価角を求めます。計算方法は、その宅地が面する路線の状態で異なります。

1面だけ道路に面している宅地

1面だけ道路に面している宅地の評価額は以下で算出されます。

評価額 = 路線価 × 奥行価格補正率 × 地積

尚、奥行価格補正率は、国税庁のホームページで公表されており、地区区分と奥行距離により補正率(1.0~0.8)が異なります。

正面と側面が道路に面している宅地

正面と側面が道路に面している宅地の評価額は以下で算出されます。ここで正面路線価とは、複数ある路線のうち、”路線価×奥行価格補正率” が最も高くなる路線価です。

評価額 =(正面路線価 × 奥行価格補正率 + 側方路線影響加算額)× 地積

尚、側方路線影響加算率は、国税庁のホームページで公表されており、地区区分と角地/準角地により加算率(0.1~0.01)が異なります。

正面と裏面が道路に面している宅地

正面と裏面が道路に面している宅地の評価額は以下で算出されます。

評価額 =(正面路線価 × 奥行価格補正率 + 二方路線影響加算額)× 地積

尚、二方路線影響加算率は、国税庁のホームページで公表されており、地区区分と角地/準角地により加算率(0.1~0.01)が異なります。

3方または4方が道路に面している宅地

4方が道路に面している宅地の評価額は以下で算出されます。

評価額 =(① + ② + ③ + ④)× 地積

①= 正面路線価 × 奥行価格補正率
②= 側方路線価 × 側方の奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率(側方路線1)
③= 側方路線価 × 側方の奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率(側方路線2)
④= 裏面路線価 × 裏方の奥行価格補正率 × 二方路線影響加算率

尚、3方が道路に面している宅地の場合は、正面路線により、上記の③または④が省略されます。

倍率方式

倍率方式は、路線価が付されていない宅地で利用され、その宅地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて求めます。

評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率

相続税評価額

相続税評価額は、路線価方式または倍率方式により算出した評価額を基に、利用単位により異なる方法で計算されます。宅地は利用単位ごとに1画地とし、利用単位が異なる場合は、それぞれを別画地として評価します。

利用単位は次の5つに区分されています。

自用地

自用地とは、自分で使用している宅地で、以下で算出されます。尚、自用地には事業目的も含みます。

評価額 = 路線価方式または倍率方式により算出した評価額

借地権

借地権とは、建物の所有を目的に他者から借りた宅地の借手側の権利で、以下で算出されます。

評価額 = 自用地評価額 × 借地権割合

貸宅地

貸宅地とは、借地権がついた土地所有者(低地)の評価で、以下で算出されます。

評価額 = 自用地評価額 ×(1- 借地権割合)

貸家建付地

貸家建付地とは、所有する土地に建てた家屋を他者に貸し付けている宅地で、以下で算出されます。

評価額 = 自用地評価額 ×(1- 借地権割合 × 借家権割合(30%) × 賃貸割合)

貸家建付借地権

貸家建付借地権とは、借地人が所有する家屋を他者に貸し付けている場合の土地所有者の評価で、以下で算出されます。

評価額 = 自用地評価額 ×(1- 借地権割合(30%) × 賃貸割合)

建物の評価

家屋の評価

建物の相続税評価額は固定資産評価額を基に評価されます。

自用家屋の評価

自用家屋の評価額は以下で計算されます。

評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率(1.0)

貸家の評価

貸家は、借家人が使用し、自己の使用に制限があるため、借家権割合(30%)を控除した金額で評価します。

評価額 = 固定資産税評価額 ×(1-借家権割合(0.3) × 賃貸割合)

付属設備の評価

家屋と構造上一体となっている設備は、家屋の価額に含めて評価します。家屋と一体となっている設備とは、家屋の所有者が有する電気設備、ガス設備、給排水設備、消火設備、昇降設備などが該当します。

 

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